うしになりたい

久しぶりにaさんと飲んだ。nという駅にある沖縄料理屋で、二階の座敷に猫がいるというのですごく楽しみにしていたのだけれど、猫の姿が見えず、なんだ残念。しかし、酒を飲んで過ごしていると、猫がニャアという感じで現れた。白と黒の、私が飼い主だったら「うし」と名前をつけちゃうなあ。という感じの猫。ほんとの名前を聞いたけど忘れちゃったので、「うし」と呼ぶことにすると、そのうしは、さすがお店の猫なだけあって、人にとっても慣れていて、客からベタベタ触られても嫌がるそぶりも見せず、自分勝手に、自分の好きなところでゴロゴロとして、飽きたら移動して、再びゴロゴロする、貫禄すら感じた。だって、こんな私(友人宅の猫に出会って4秒で威嚇…)が抱っこさせてくれたんだぜ、うし…。しかし、酔っ払った女性客が、さすがにそれはないわー、というくらいしつこくしていたら、さすがのうしもウギャアとなって、女性客の腕に爪でしがみつき、そこは流血の現場となっていたのだが、女性客はなにしろ酔っ払っていたのと、元々がしつこい性格の人のようで、まったく意に介さず、さらにうしに構い続け、いやんなったうしは遂に逃げ出してしまった。うし、いなくなっちゃったね、と思って、やがてお会計をしに一階に降りたら、一階の客の膝の上でニャアと言っていたので、うしはすごいね。と思った。