実家にて

実家の部屋にあるものを処分した。本とか手紙とか、写真とか服とか色々。実家を出て十年以上たつので、そこにあるのは今や不要なものばかりで、どんなものがあるのかすら忘れていて、見てもなんだか思い出せないものもあった。このところ毎日一人で、おもしろくもおかしくもなく過ごしているけれど、実家の部屋にある、ひとからもらった手紙や、友達や名前も思い出せない人たちと楽しげに映っている写真や、親から入学式に買ってもらったスーツなんかを見ていたら、自分はそれなりにひとから思いをかけられて生きてきたのだなあ、ということに気づき、なんちゅうか、もっと自信を持って生きてもいいんじゃないか。という気持ちになった。